五十肩の症状と痛み方｜タイプ別の原因・対策、整骨院での治療法を解説

「五十肩かも？」と感じ、肩の痛みや動かしづらさに悩んでいませんか？ 夜も眠れないほどの激痛や、服を着替えるのも困難なほどの可動域制限に、不安を感じている方もいるかもしれません。このページでは、五十肩の症状や痛み方、その原因や対策、そして整骨院における効果的な治療法までを詳しく解説します。五十肩の痛みには炎症性のものと拘縮性のものがあり、それぞれ適切な対処が必要です。五十肩は適切な治療を行うことで改善が見込める疾患です。この記事を読むことで、ご自身の症状がどの段階にあるのか、どのような治療法が適しているのかを理解し、早期回復への道筋を見つけることができます。辛い五十肩の痛みから解放され、快適な日常生活を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。五十肩の改善には、ロキソニンSなどの市販薬で痛みを抑えつつ、症状に合った適切な治療を受けることが重要です。

1. 五十肩とは？

五十肩は、中高年に多く発症する肩関節の痛みや運動制限を伴う疾患です。正式名称は「肩関節周囲炎」と言い、肩関節とその周囲の組織に炎症や癒着が生じることで様々な症状が現れます。加齢とともに肩関節の柔軟性が低下することが主な原因の一つですが、明確な原因が特定できない場合も多くあります。はっきりとした原因がないまま発症するケースも少なくありません。

1.1 五十肩の正式名称や原因について

五十肩の正式名称は「肩関節周囲炎」です。これは、肩関節の周囲にある筋肉、腱、靭帯、関節包などの組織に炎症が起こり、肩の痛みや運動制限を引き起こす状態を指します。肩関節周囲の組織の炎症が原因となるため、肩関節周囲炎と呼ばれます。

五十肩の原因は多岐にわたり、一つに特定できない場合も少なくありません。主な原因としては、加齢による肩関節周囲の組織の老化や変性、肩関節の使い過ぎや外傷、不良姿勢、運動不足、冷え、ストレスなどが挙げられます。加齢による変化以外にも、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

また、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病や、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患も五十肩のリスクを高める要因となることがあります。基礎疾患との関連性も指摘されており、注意が必要です。

原因	詳細
加齢による変化	肩関節周囲の組織の老化や変性により、炎症が起こりやすくなります。
肩関節の使い過ぎ	野球やバレーボールなどのスポーツ、重いものを持ち上げる作業などで肩関節に負担がかかり、炎症を引き起こすことがあります。
外傷	転倒や打撲などによって肩関節を損傷し、炎症が生じることがあります。
不良姿勢	猫背や巻き肩などの不良姿勢は、肩関節周囲の筋肉のバランスを崩し、炎症を誘発する可能性があります。
運動不足	肩関節周囲の筋肉が衰えると、肩関節の安定性が低下し、炎症が起こりやすくなります。
冷え	冷えによって肩関節周囲の血行が悪くなり、炎症が悪化することがあります。
ストレス	ストレスは自律神経のバランスを崩し、肩関節周囲の筋肉の緊張を高め、炎症を促進する可能性があります。

1.2 五十肩になりやすい人の特徴

五十肩は、40代から50代に多く発症することから「五十肩」と呼ばれていますが、30代や60代以降に発症することもあります。40～50代が最も発症しやすい年代ですが、他の年代でも発症する可能性があります。

特に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける人、肩関節を酷使するスポーツをしている人、家事や育児などで肩に負担がかかりやすい女性などは、五十肩になりやすい傾向があります。日常生活での姿勢や習慣も、五十肩の発症に影響を与えます。 また、糖尿病などの基礎疾患を持つ人も、五十肩を発症するリスクが高いと言われています。糖尿病などの持病がある方は、特に注意が必要です。

特徴	詳細
40代～50代	加齢による肩関節周囲の組織の老化や変性が原因で、この年代に最も多く発症します。
デスクワーク中心の人	長時間同じ姿勢を続けることで、肩関節周囲の筋肉が緊張し、血行が悪くなり、炎症が起こりやすくなります。
肩関節を酷使するスポーツをしている人	野球やバレーボール、水泳など、肩関節を大きく動かすスポーツは、肩関節に負担をかけ、炎症を引き起こすリスクを高めます。
女性	女性ホルモンの変動や、家事や育児による肩への負担が、五十肩の発症に影響していると考えられています。
糖尿病などの基礎疾患を持つ人	糖尿病は、末梢神経障害や血管障害を引き起こし、肩関節周囲の組織の修復を遅らせ、五十肩のリスクを高めます。

2. 五十肩の症状

五十肩の症状は、肩の痛みや動きの制限が主なものですが、その程度や種類は人によって、また症状の進行度合いによっても大きく異なります。初期は軽い痛みや違和感から始まり、徐々に悪化していくのが一般的です。肩の痛みは、夜間や安静時に強くなる傾向があり、睡眠を妨げることもあります。また、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。症状が進行すると、着替えや髪を洗うなどの日常生活動作にも支障をきたすようになります。

2.1 五十肩の痛みの特徴

五十肩の痛みは、鋭い痛みや鈍い痛み、焼けつくような痛みなど、様々な形で現れます。痛みの部位も、肩関節だけでなく、上腕、前腕、首、背中などに広がることもあります。 また、夜間や安静時に痛みが強くなるのも特徴です。これは、肩関節周囲の筋肉がリラックスし、炎症が悪化するためと考えられています。さらに、特定の動作で痛みが増強する場合もあります。例えば、腕を上げたり、後ろに回したり、反対側の肩に触れようとしたりする際に、強い痛みを感じることがあります。

2.2 五十肩の症状の進行 stages

五十肩の症状は、一般的に3つのステージに分けられます。それぞれのステージで特徴的な症状が現れます。

2.2.1 急性期

五十肩の初期段階である急性期は、発症から約3ヶ月程度続く期間です。この時期は、炎症が強く、激しい痛みを伴います。肩関節の動きが制限され、腕を上げたり回したりする動作が困難になります。夜間痛も強く、睡眠に影響が出ることがあります。安静にしていてもズキズキとした痛みを感じることがあります。炎症が強い時期なので、無理に動かすと症状が悪化する可能性があります。この時期は、炎症を抑えることが重要です。

2.2.2 慢性期

急性期に続く慢性期は、発症から3ヶ月～6ヶ月程度続く期間です。この期間は、強い痛みは軽減してきますが、肩関節の動きは依然として制限されています。肩の可動域が狭くなり、日常生活動作に支障をきたすことがあります。痛みは動かす時に強く感じることが多く、安静時にはあまり感じないこともあります。肩関節が硬くなっていくため、「凍結肩」と呼ばれることもあります。この時期は、肩関節の可動域を広げるためのリハビリテーションが重要です。

2.2.3 回復期

回復期は、発症から6ヶ月以降の期間で、徐々に肩の痛みや動きの制限が改善していく時期です。肩関節の可動域が広がり、日常生活動作もスムーズに行えるようになってきます。痛みが完全に消失するまでには、1年以上かかる場合もあります。この時期は、再発予防のためにも、継続的なリハビリテーションやストレッチが重要です。無理なく肩を動かすことで、回復を促進することができます。

ステージ	期間	主な症状
急性期	発症～約3ヶ月	強い痛み、炎症、可動域制限、夜間痛
慢性期	約3ヶ月～約6ヶ月	痛みの軽減、可動域制限、関節の硬化
回復期	約6ヶ月～	痛みと可動域制限の改善

3. 五十肩の痛み方 タイプ別解説

五十肩の痛みは、その原因や時期によって大きく異なります。ここでは、代表的な痛みのタイプを解説します。

3.1 炎症性疼痛

五十肩の初期段階である急性期に多く見られる痛みです。肩関節周囲の組織に炎症が起こり、ズキズキとした強い痛みや熱感、腫れを伴います。夜間や安静時にも痛みが増強することが特徴で、特に夜間に痛みが激しくなるため、睡眠不足に悩まされる方も少なくありません。少しの動きでも激痛が走り、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。炎症性疼痛は、炎症が原因であるため、炎症を抑えることが重要です。

3.2 拘縮性疼痛

五十肩が慢性期に移行すると、炎症は治まり強い痛みは軽減してきます。しかし、肩関節周囲の組織が硬くなり、関節の動きが悪くなることで、肩の可動域制限が生じます。この拘縮によって引き起こされる痛みが拘縮性疼痛です。動かす時に突っ張るような痛みや鈍い痛みを感じ、肩を特定の方向に動かすと痛みが増強します。例えば、服を着る、髪をとかす、高い所の物を取るといった日常動作が困難になります。拘縮性疼痛は、肩関節の可動域を広げるためのリハビリテーションが重要です。

3.3 その他の痛み

五十肩の痛みは炎症性疼痛と拘縮性疼痛の2種類だけに分類されるわけではありません。これらの痛みが混合している場合や、神経が圧迫されることで起こる神経痛、筋肉の緊張による痛みなど、様々な痛みが現れることがあります。また、痛みの感じ方や程度には個人差があり、同じ五十肩でも全く異なる痛み方をするケースも珍しくありません。以下に、その他の痛み方のパターンをまとめました。

痛みの種類	特徴	関連する症状
放散痛	肩だけでなく、腕や首、背中などにも痛みやしびれが広がる	頸椎症、胸郭出口症候群
夜間痛	夜間や安静時に痛みが強くなる	炎症性疼痛、神経痛
運動時痛	特定の動作で痛みが増強する	拘縮性疼痛、腱板断裂

これらの痛みは、他の疾患が原因で起こっている可能性もあるため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。五十肩の痛みは、症状の進行度合い、原因、個々の体質などによって複雑に変化します。痛みを我慢し続けると、日常生活に支障をきたすだけでなく、症状の悪化につながる可能性もあります。少しでも違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

4. 五十肩の原因

五十肩の明確な原因は未だ完全には解明されていませんが、加齢に伴う身体の変化や、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。以下に、主な原因と考えられているものを詳しく解説します。

4.1 加齢による変化

五十肩は、その名の通り50歳前後で発症することが多いことから、加齢による身体の変化が大きく関わっていると考えられています。具体的には、肩関節周囲の組織の老化、すなわち、腱や靭帯、関節包などの柔軟性の低下や弾力性の減少、筋肉の萎縮や筋力の低下、血行不良などが挙げられます。これらの変化により、肩関節の動きが悪くなり、痛みや炎症が生じやすくなります。

4.2 肩関節周囲の炎症

肩関節周囲の組織、特に腱板（ローテーターカフ）と呼ばれる筋肉群や関節包などに炎症が起こることで、強い痛みや運動制限が生じます。この炎症は、使い過ぎや外傷、不良姿勢などがきっかけで発生することがあります。また、加齢による組織の変性も炎症を誘発する要因となります。特に、棘上筋腱や肩峰下滑液包の炎症は五十肩の痛みに大きく関わっていると考えられています。

4.3 運動不足

運動不足になると、肩関節周囲の筋肉が衰え、関節の安定性が低下します。また、血行も悪くなり、肩関節周囲の組織に栄養が行き渡りにくくなるため、炎症や痛みが発生しやすくなります。特に、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける人は、肩関節の動きが制限され、五十肩のリスクが高まります。

4.4 不良姿勢

猫背や巻き肩などの不良姿勢は、肩甲骨の位置がずれたり、肩関節周囲の筋肉のバランスが崩れたりする原因となります。その結果、肩関節への負担が増加し、炎症や痛みが発生しやすくなります。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などは、不良姿勢を助長する要因となるため注意が必要です。

4.5 外傷

転倒や打撲など、肩関節への直接的な外傷が原因で五十肩を発症することもあります。骨折や脱臼などの大きなケガだけでなく、軽微なケガでも、肩関節周囲の組織に炎症や損傷が生じ、五十肩の引き金となる場合があります。

4.6 その他の要因

上記以外にも、糖尿病、甲状腺疾患、頸椎疾患などの基礎疾患が五十肩の発症に関与している場合もあります。また、ストレスや精神的な緊張も、筋肉の緊張を高め、血行不良を招くため、五十肩の症状を悪化させる要因となる可能性があります。さらに、遺伝的要因も指摘されています。

原因	詳細
加齢による変化	腱・靭帯の柔軟性低下、筋肉の萎縮、血行不良
肩関節周囲の炎症	腱板（ローテーターカフ）、関節包の炎症
運動不足	筋肉の衰え、関節の不安定化、血行不良
不良姿勢	肩甲骨の位置ずれ、筋肉バランスの崩れ
外傷	転倒、打撲などによる直接的な損傷
その他の要因	糖尿病などの基礎疾患、ストレス、遺伝的要因

これらの要因が単独または複数組み合わさって五十肩を発症すると考えられています。五十肩の予防や治療のためには、これらの原因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

5. 五十肩の対策と予防法

五十肩の対策と予防法は、症状の進行度合い、痛みの種類によって異なります。五十肩は自然に治癒する傾向があるとはいえ、適切な対策を行うことで痛みを軽減し、回復を早めることができます。また、予防策を講じることで発症リスクを低減することも可能です。

5.1 自宅でできるストレッチや運動

急性期には、無理に動かすと炎症が悪化するため、安静を第一に考えましょう。痛みが強い場合は、アイシングを行い炎症を抑えることが重要です。慢性期に入ったら、少しずつ肩関節の可動域を広げるためのストレッチや運動を始めましょう。回復期では、より積極的に筋力トレーニングを行い、肩関節の機能回復を目指します。

具体的なストレッチや運動の例は以下の通りです。

時期	ストレッチ・運動	回数・時間	注意点
急性期	振り子運動、アイシング	1回5分程度、数回/日	痛みのない範囲で行う
慢性期	タオルを使ったストレッチ、壁を使ったストレッチ、肩甲骨はがし運動	1回10～15回、数回/日	痛みのない範囲で行う、呼吸を止めない
回復期	チューブトレーニング、ダンベル体操、インナーマッスルトレーニング（棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋）	1回10～15回、数回/日	適切な重量で行う、フォームに注意する

これらの運動は、動画サイトなどで正しいやり方を事前に確認してから行うようにしましょう。また、痛みがある場合は無理せず中止し、医師や理学療法士、整骨院の先生に相談してください。

5.2 日常生活での注意点

日常生活においても、五十肩の対策と予防を意識することが大切です。正しい姿勢を保つことは、肩への負担を軽減し、症状の悪化を防ぎます。デスクワークが多い方は、こまめに休憩を取り、肩を回したり、ストレッチを行うようにしましょう。また、重い荷物を持つ際は、両肩に均等に重さがかかるようにする、リュックサックを使用するなどの工夫も有効です。冷房の効きすぎで肩が冷えないように注意し、保温にも気を配りましょう。睡眠時には、抱き枕を使用することで、肩への負担を軽減し、リラックスした状態で眠ることができます。栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとることも、身体の回復力を高める上で重要です。

五十肩の予防には、日頃から肩甲骨周りのストレッチや軽い運動を行うことが効果的です。肩甲骨を動かすことで、肩関節の柔軟性を維持し、血行を促進することができます。また、ウォーキングや水泳などの全身運動も、肩周りの筋肉を強化し、五十肩の予防に繋がります。

6. 整骨院での五十肩の治療法

五十肩でお悩みの方は、専門家による適切な治療を受けることが重要です。整骨院では、五十肩の症状や痛みの程度、進行状況に合わせて、患者さん一人ひとりに最適な治療プランを提案しています。痛みの緩和だけでなく、肩関節の可動域改善や再発防止にも重点を置いています。

6.1 整骨院で行う五十肩の施術方法

整骨院では、五十肩に対して様々な施術方法を用います。主な施術方法には、手技療法、電気療法、運動療法などがあり、これらを組み合わせることで相乗効果が期待できます。

6.1.1 手技療法

手技療法は、施術者の手を使って肩関節周囲の筋肉や関節の動きを改善する治療法です。五十肩の原因となる筋肉の緊張や関節の動きの制限を、直接的にアプローチすることで改善していきます。代表的な手技療法には以下のようなものがあります。

• マッサージ：肩や背中の筋肉をほぐし、血行を促進することで、痛みやこわばりを軽減します。
• ストレッチ：肩関節の可動域を広げるためのストレッチを行います。痛みのない範囲で、ゆっくりと行うことが大切です。
• 関節モビライゼーション：肩関節の動きを滑らかにするための手技です。関節の遊びを改善し、可動域制限を解消します。

6.1.2 電気療法

電気療法は、電気刺激を用いて痛みを緩和し、組織の修復を促進する治療法です。五十肩の急性期に有効で、炎症を抑え、痛みを軽減する効果が期待できます。主な電気療法には以下のようなものがあります。

• 低周波治療：筋肉の収縮を促し、血行を改善することで、痛みやこわばりを軽減します。
• 超音波治療：超音波の振動によって、深部の組織まで温熱効果を与え、炎症を抑制し、疼痛を緩和します。
• 干渉波治療：異なる周波数の電流を干渉させることで、より深部の筋肉を刺激し、血行促進、疼痛緩和効果を高めます。

6.1.3 運動療法

運動療法は、肩関節の可動域を改善し、筋力強化を図るための治療法です。五十肩の慢性期や回復期に積極的に行うことで、再発防止にも繋がります。患者さんの状態に合わせて、無理のない範囲で運動プログラムを作成し、指導を行います。主な運動療法には以下のようなものがあります。

• コッドマン体操：振り子運動で肩関節周囲の筋肉を緩めます。
• チューブトレーニング：ゴムチューブを用いて肩関節周囲の筋力強化を図ります。
• プーリー運動：滑車を用いて、肩関節の屈曲・伸展・外転・内転などの動きをスムーズに行えるように訓練します。

6.2 整骨院での治療期間の目安

五十肩の治療期間は、症状の重さや個人差によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかると言われています。下記の表はあくまでも目安であり、実際の治療期間は、個々の状態に合わせて判断されます。

五十肩のステージ	期間の目安	治療の重点
急性期	約2週間～1ヶ月	痛みと炎症の抑制
慢性期	約1ヶ月～3ヶ月	関節可動域の改善、筋力強化
回復期	約3ヶ月～6ヶ月	再発防止、日常生活動作の改善

早期に治療を開始することで、回復期間の短縮が期待できますので、五十肩の症状を感じたら、早めに整骨院に相談することをおすすめします。 また、整骨院での治療と並行して、自宅でのセルフケアを行うことも重要です。医師や施術者の指導のもと、適切なストレッチや運動を継続することで、より効果的な治療が期待できます。

7. 五十肩に効果的な市販薬・湿布

五十肩の痛みを緩和するために、市販薬や湿布を使用することは有効な手段の一つです。ただし、あくまで対症療法であり、根本的な解決には医療機関の受診が不可欠です。痛みが強い場合や長引く場合は、自己判断せずに医師や薬剤師に相談しましょう。

7.1 痛み止め

五十肩の痛みには、主にNSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）と呼ばれる鎮痛剤が用いられます。NSAIDsは炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。ロキソプロフェンナトリウム（ロキソニンSなど）やイブプロフェン（イブA錠など）、アセトアミノフェン（タイレノールAなど）などが市販されています。服用する際は、用法・用量を守り、副作用に注意しましょう。胃腸の弱い方は、胃への負担が少ないアセトアミノフェンを選択するのも良いでしょう。

また、痛みや炎症が強い場合は、ジクロフェナクナトリウム（ボルタレンEXテープなど）などの経皮吸収型鎮痛消炎剤も有効です。これは、皮膚から薬剤が吸収され、患部に直接作用するため、効果的に痛みを和らげることができます。

7.2 湿布

湿布には、冷湿布と温湿布があります。急性期で炎症が強い場合は、冷湿布を使用することで炎症を抑え、痛みを和らげることができます。慢性期で血行不良が原因となっている場合は、温湿布を使用することで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることができます。

種類	効果	代表的な商品
冷湿布	炎症を抑える、痛みを和らげる	バンテリンコーワパットEX フェイタス冷感
温湿布	血行を促進する、筋肉の緊張を和らげる	バンテリンコーワホット フェイタスZαジクサス温感

湿布と内服薬を併用する場合は、成分が重複していないか確認することが重要です。同じ成分を過剰摂取してしまう可能性があるため、注意が必要です。また、湿布を貼る際は、長時間同じ場所に貼らないようにしましょう。かぶれなどの皮膚トラブルの原因となることがあります。

市販薬や湿布は、あくまでも補助的な役割です。痛みが長引く場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。自己判断で治療を続けると、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。

8. まとめ

五十肩は、肩関節周囲の炎症や加齢による変化などが原因で発症する、肩の痛みや運動制限を伴う疾患です。その痛み方は、炎症による鋭い痛みである炎症性疼痛と、関節の動きが悪くなることで感じる拘縮性疼痛に分けられます。症状の進行は急性期、慢性期、回復期の3段階に分けられ、それぞれの段階に適した治療法があります。

五十肩の対策としては、自宅でできるストレッチや運動、日常生活での注意点を守る事が重要です。痛みが強い場合は、市販の痛み止めや湿布薬を使用することも有効です。ロキソニンSなどの痛み止めや、モーラステープなどの湿布薬は、炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。症状が改善しない場合は、医療機関への受診が必要です。

整骨院では、五十肩に対して手技療法、電気療法、運動療法など様々な治療法を提供しています。これらの治療法は、肩関節周囲の筋肉の緊張を緩和し、関節の可動域を改善する効果があります。五十肩の治療期間は症状の重さや個人差によって異なりますが、適切な治療を受けることで早期回復が期待できます。五十肩の症状でお悩みの方は、お近くの整骨院に相談してみましょう。