長引く首こりに、もう悩まないでください。この頑固な首こりは、体のバランスが崩れているサインかもしれません。この記事では、首こりの原因を解き明かし、ツボ押しがなぜ効果的なのかを解説します。さらに、天柱や風池など即効性が期待できる厳選ツボの位置と押し方、効果を最大化するセルフケア術まで、具体的な改善策を網羅的にご紹介します。ツボ押しは、血行促進と筋肉の緊張緩和を通じて、つらい首こりを根本から和らげる有効な手段です。

1. 頑固な首こりの原因とツボが効く理由

1.1 なぜあなたの首こりは頑固なのか

多くの方が経験する首こりですが、中には「何をしても改善しない」「常に重く、痛みが伴う」といった頑固な症状に悩まされている方もいらっしゃるでしょう。単なる一時的な疲労とは異なり、頑固な首こりにはいくつかの複合的な原因が絡み合っていることが多いのです。

私たちの首は、重い頭を支えながら複雑な動きを担う非常にデリケートな部位です。この首に過度な負担がかかり続けたり、特定の要因が重なったりすることで、筋肉が慢性的に緊張し、血行不良が深刻化します。その結果、疲労物質が蓄積されやすくなり、痛みやだるさがなかなか取れない状態に陥ってしまうのです。

特に、現代社会において頑固な首こりを引き起こしやすい主な原因と、それがなぜ慢性化するのかを以下にまとめました。

主な原因頑固な首こりにつながるメカニズム
長時間の不良姿勢パソコン作業やスマートフォンの使用時にうつむく姿勢が続くと、首や肩の筋肉に常に大きな負担がかかります。これにより、筋肉が硬く短縮し、血流が悪くなることで疲労物質が排出されにくくなります
精神的ストレスストレスを感じると、無意識のうちに体に力が入ります。特に首や肩の筋肉が緊張しやすくなり、自律神経のバランスが乱れることで、血流が悪化し、筋肉の回復が妨げられます
目の疲れ(眼精疲労)長時間にわたる目の酷使は、目の周りの筋肉だけでなく、首や肩の筋肉にも連動して緊張を引き起こします。目の奥の神経の緊張が首の筋肉に波及し、慢性的なこりや頭痛の原因となることがあります。
運動不足と冷え体を動かす機会が少ないと、全身の血行が悪くなり、筋肉の柔軟性も失われがちです。また、体が冷えることで筋肉はさらに収縮し、血流が滞り、こりが悪化しやすくなります
睡眠環境の不備合わない枕の使用や寝返りの少なさなど、睡眠中の姿勢が悪いと、首に不自然な負担がかかり続けます。これにより、寝ている間に筋肉が十分に休まらず、朝から首こりを感じることにつながります。

これらの要因が一つだけでなく、複数絡み合って長期化することで、首の筋肉はますます硬くなり、深部の組織にまで影響が及びます。こうなると、一時的なマッサージだけではなかなか改善せず、「頑固な首こり」として定着してしまうのです。

1.2 ツボ押しが首こり解消に効果的なメカニズム

頑固な首こりに対して、ツボ押しは古くから伝わる効果的なセルフケアの一つです。ツボは、私たちの体表に点在する特定の部位であり、刺激することで体の内部機能や全身のバランスに働きかけると考えられています。東洋医学では、ツボは「気」や「血」の通り道である「経絡」上にあり、これらを整えることで不調を改善するとされています。

現代的な観点から見ても、ツボ押しにはいくつかの科学的なメカニズムが期待できます。

  • 血行促進効果
    ツボを指圧することで、一時的にその部位の血流が制限されます。その後、圧迫を解放すると、一気に血液が流れ込み、滞っていた血行が促進されます。これにより、硬くなった首の筋肉に新鮮な酸素や栄養が供給され、蓄積された疲労物質や老廃物が排出されやすくなります。血流が改善されることで、筋肉の緊張が和らぎ、こりの緩和につながります。
  • 筋肉の緩和と柔軟性向上
    ツボへの適度な刺激は、硬直した筋肉繊維に直接働きかけ、その緊張を和らげる効果があります。特に、首の深部にある筋肉や、普段意識しにくいインナーマッスルにもアプローチできるため、表面的なマッサージでは届きにくい頑固なこりにも有効です。筋肉が緩むことで、首の可動域が広がり、柔軟性も向上します。
  • 神経系の調整と鎮痛効果
    ツボへの刺激は、末梢神経を通じて脳に伝わります。この刺激が、痛みを抑制する脳内物質の分泌を促したり、自律神経のバランスを整えたりすると考えられています。自律神経は、ストレスや疲労によって乱れやすく、その乱れが筋肉の緊張や血行不良を悪化させる原因となります。ツボ押しによる調整作用は、心身のリラックスを促し、痛みの感覚を和らげることにもつながります。
  • リラックス効果
    心地よいツボ押しは、副交感神経を優位にし、心身のリラックス状態を促進します。ストレスが原因で首こりが悪化している場合、このリラックス効果が筋肉の緊張を解きほぐし、全身の力を抜く手助けとなります。精神的な緊張が和らぐことで、首こりの悪循環を断ち切るきっかけにもなるでしょう。

このように、ツボ押しは単に痛い部分を揉むだけでなく、血行、筋肉、神経、そして心の状態にまで働きかけることで、頑固な首こりの根本的な改善を目指せるセルフケアなのです。

2. 即効性が期待できる!頑固な首こり解消の厳選ツボ

「首こり ツボ」と検索するあなたは、きっと今すぐにでもこの辛い首こりを和らげたいと願っているのではないでしょうか。ここでは、数あるツボの中から特に首こり解消に即効性が期待できる厳選ツボを詳しくご紹介します。それぞれのツボがどのようなメカニズムで首こりに働きかけるのか、その位置と効果的な押し方まで丁寧にご説明いたしますので、ぜひご自身の状態に合わせて試してみてください。

2.1 首の付け根に効くツボ 天柱と風池

首の付け根は、頭を支える重要な部分であり、日常の姿勢やストレスによって筋肉が硬直しやすい場所です。特に、後頭部から首筋にかけての筋肉の緊張は、頑固な首こりの主な原因となることが多くあります。天柱と風池は、まさにこの首の付け根にあるツボで、直接的に筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、即効的な首こり緩和が期待できます。

ツボの名称位置の目安主な期待効果
天柱(てんちゅう)首の後ろ、髪の生え際、僧帽筋の外側にある太い筋のすぐ外縁首こり、肩こり、頭痛、眼精疲労、自律神経の調整
風池(ふうち)天柱のやや外側、後頭部のくぼみ首こり、肩こり、頭痛、眼精疲労、めまい、鼻づまり

2.1.1 天柱 ツボの位置と押し方

天柱は、首の筋肉の緊張を和らげる上で非常に重要なツボです。このツボは、頭痛や眼精疲労にも効果的で、首こりからくる様々な不調の改善に役立ちます。

ツボの位置
首の後ろ、髪の生え際から指一本分ほど上の部分で、首を縦に走る太い筋肉(僧帽筋)の外側にあります。左右に一つずつ存在し、押すと少し響くような感覚がある場所です。

押し方
両手の親指をツボに当て、残りの指で頭を支えるようにします。親指の腹を使って、頭の中心に向かってゆっくりと上方向に押し上げます。息を吐きながら5秒ほどかけて押し、ゆっくりと力を緩めます。これを3回から5回繰り返してください。強い力で押しすぎず、心地よいと感じる程度の圧を心がけましょう。

2.1.2 風池 ツボの位置と押し方

風池は、天柱と同様に首の付け根にあるツボで、首こりだけでなく、頭痛やめまいといった症状にも効果が期待できます。特に、首からくる血行不良による不調に有効です。

ツボの位置
天柱のさらに外側、後頭部の骨のすぐ下にある大きなくぼみに位置します。左右の耳たぶの裏側から、首の骨に沿って内側へたどっていくと見つけやすいでしょう。

押し方
天柱と同じく、両手の親指をツボに当て、残りの指で頭を支えます。親指の腹を使って、頭の中心に向かって斜め上方向に、じんわりと圧を加えていきます。5秒かけて押し、ゆっくりと力を抜く動作を3回から5回繰り返します。リラックスした状態で行うことで、より効果を感じやすくなります。

2.2 肩や頭痛にも効くツボ 肩井と完骨

首こりは単独で起こるだけでなく、肩こりや頭痛と密接に関係していることがよくあります。特に、肩の筋肉の緊張は首への負担を増やし、それが頭痛を引き起こすことも少なくありません。肩井と完骨は、そのような首こりに関連する症状にもアプローチできるツボです。これらのツボを刺激することで、首から肩、頭部にかけての緊張を広範囲に和らげ、より根本的な改善を目指します。

ツボの名称位置の目安主な期待効果
肩井(けんせい)首の付け根と肩先のちょうど中間、盛り上がった筋肉の上肩こり、首こり、頭痛、ストレス緩和、腕のだるさ
完骨(かんこつ)耳たぶの後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)のすぐ下、えぐれた部分首こり、頭痛(特に後頭部)、めまい、耳鳴り、顔のむくみ

2.2.1 肩井 ツボの位置と押し方

肩井は、肩こりの代表的なツボとして知られていますが、首こりにも非常に効果的です。広範囲の筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、首と肩の両方の不調を改善します。

ツボの位置
首の付け根と肩先のちょうど中間点、肩の盛り上がった部分にあります。押すとズーンと響くような感覚がある場所です。

押し方
反対側の手の中指、薬指、人差し指の腹をツボに当て、少し痛気持ちいいと感じるくらいの強さで垂直に押します。息を吐きながら5秒ほど押し、ゆっくりと力を緩めます。これを3回から5回繰り返します。肩の力を抜いてリラックスした状態で行うことが大切です。

2.2.2 完骨 ツボの位置と押し方

完骨は、後頭部から首筋にかけての痛みや頭痛に特に有効なツボです。首こりからくる頭痛に悩まされている方には、ぜひ試していただきたいツボの一つです。

ツボの位置
耳たぶの後ろにある、大きく突き出た骨(乳様突起)のすぐ下、少しえぐれた部分にあります。左右に一つずつ存在します。

押し方
両手の親指の腹をツボに当て、頭を支えるようにしながら、少し上向きにゆっくりと押します。5秒かけて押し、ゆっくりと力を抜く動作を3回から5回繰り返します。首の筋肉の奥に響くような感覚があれば、正しくツボを捉えられています。

2.3 全身の血行を促進するツボ 合谷と手三里

首こりの原因は、首や肩の筋肉の緊張だけではありません。全身の血行不良や自律神経の乱れが、首こりを引き起こしたり、悪化させたりすることもあります。合谷と手三里は、直接首にあるツボではありませんが、全身の気の巡りや血行を促進し、自律神経のバランスを整えることで、間接的に首こりの改善に貢献するツボです。これらのツボを刺激することで、体全体をリラックスさせ、首こりの根本的な解消へと導きます。

ツボの名称位置の目安主な期待効果
合谷(ごうこく)手の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ全身の血行促進、首こり、肩こり、頭痛、ストレス緩和、歯の痛み
手三里(てさんり)肘を曲げたときにできるシワの、親指側から指2本分下がったところ首こり、肩こり、腕の疲れ、胃腸の不調

2.3.1 合谷 ツボの位置と押し方

合谷は、万能のツボとも呼ばれ、全身の様々な不調に効果があるとされています。血行促進や鎮痛作用が期待でき、首こりだけでなく、頭痛や歯の痛み、ストレス緩和にも役立ちます。

ツボの位置
手の甲にあり、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼんだ部分です。押すと少し鈍い痛みを感じる場所です。

押し方
反対側の手の親指をツボに当て、人差し指で手のひらを支えるようにします。骨の間に向かってゆっくりと垂直に押します。5秒かけて押し、ゆっくりと力を緩める動作を3回から5回繰り返します。左右の手を交互に行うと良いでしょう。特に、ストレスを感じている時や、全身がだるい時に試してみてください。

2.3.2 手三里 ツボの位置と押し方

手三里は、腕の疲れや肩こり、首こりに効果的なツボです。腕から肩、首へと繋がる筋肉の緊張を和らげることで、血行を改善し、首こりの緩和に貢献します。

ツボの位置
肘を曲げたときにできるシワの、親指側から指2本分ほど下がった部分にあります。腕の外側、筋肉の盛り上がりの境目あたりです。

押し方
親指の腹をツボに当て、残りの指で腕を支えます。肘に向かってゆっくりと押し込みます。5秒かけて押し、ゆっくりと力を緩める動作を3回から5回繰り返します。デスクワークなどで腕を酷使している方に特におすすめです。

2.4 目の疲れからくる首こりに効くツボ

長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用は、目の疲れを引き起こし、それが首こりへと繋がることが多くあります。目の周りの筋肉が緊張すると、首や肩の筋肉も連動して硬くなり、頑固な首こりの原因となるのです。ここでは、目の疲れを和らげることで、間接的に首こりの解消に役立つツボをご紹介します。目の周りのツボを刺激することで、血行が促進され、目の疲れが軽減されると同時に、首の緊張も和らぎます。

ツボの名称位置の目安主な期待効果
攅竹(さんちく)眉頭のくぼみ目の疲れ、頭痛、首こりの緩和(間接的)
晴明(せいめい)目頭のやや内側、鼻の付け根のくぼみ目の疲れ、鼻づまり、首こりの緩和(間接的)
太陽(たいよう)こめかみ、眉尻と目尻の中間点から指一本分外側目の疲れ、頭痛、首こりの緩和(間接的)

2.4.1 攅竹 ツボの位置と押し方

攅竹は、目の疲れや頭痛に効果的なツボで、特に眉間の緊張を和らげます。目の周りの血行を改善することで、首こりの間接的な緩和に繋がります。

ツボの位置
眉毛の始まりの部分、眉頭にあるくぼみです。押すと少し心地よい痛みを感じる場所です。

押し方
両手の親指の腹をツボに当て、残りの指で額を支えるようにします。眉頭の骨に沿って、ゆっくりと上方向に押し上げます。5秒かけて押し、ゆっくりと力を緩める動作を3回から5回繰り返します。目の奥の疲れを感じる時に特に効果的です。

2.4.2 晴明 ツボの位置と押し方

晴明は、目の疲れやかすみに直接アプローチするツボです。目の周りの血流を良くすることで、目の疲れからくる首こりの軽減が期待できます。

ツボの位置
目頭のやや内側、鼻の付け根にあるくぼみです。押すと少し刺激を感じるデリケートな場所です。

押し方
両手の人差し指の腹をツボに当て、鼻の骨に沿って、優しくゆっくりと押し込みます。デリケートな部分なので、力を入れすぎず、心地よいと感じる程度の圧を心がけてください。5秒かけて押し、ゆっくりと力を緩める動作を3回から5回繰り返します。目の充血や乾燥にも効果が期待できます。

2.4.3 太陽 ツボの位置と押し方

太陽は、こめかみの痛みや目の疲れに効果的なツボです。頭部の血行を促進し、目の疲れからくる首こりや頭痛を和らげます。

ツボの位置
こめかみにあり、眉尻と目尻の中間点から指一本分ほど外側に位置します。押すと少しズーンと響くような感覚がある場所です。

押し方
両手の親指または中指の腹をツボに当て、円を描くようにゆっくりと揉みほぐすか、じわっと圧をかけます。5秒かけて押し、ゆっくりと力を緩める動作を3回から5回繰り返します。頭痛が伴う目の疲れに特に有効です。

3. ツボ押し効果を最大化するセルフケア術

頑固な首こりを根本から解消し、再発を防ぐためには、ツボ押しだけでなく日々のセルフケアを組み合わせることが大切です。ツボ押しで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげた後、ストレッチでさらに柔軟性を高め、日常生活の習慣を見直すことで、より高い改善効果が期待できます。ここでは、ツボ押しの効果を最大限に引き出すための具体的なセルフケア術をご紹介します。

3.1 正しいツボの探し方と指圧のコツ

ツボ押しは、その効果を最大限に引き出すために、正確な位置を特定し、適切な方法で指圧することが重要です。ツボの位置は、一般的に知られている場所を参考にしつつも、ご自身の体で「少し痛みを感じる」「へこんでいる」「硬くなっている」といった反応がある場所を探してみてください。これが、その時のご自身の体に合ったツボのサインです。

指圧の際には、以下のポイントを意識して行いましょう。

項目コツ
強さ「心地よい」と感じる程度の強さが目安です。痛みを感じるほど強く押すのは避けましょう。
指の使い方親指や人差し指、中指の腹を使って、ツボを垂直に押すように意識します。
押し方ゆっくりと圧をかけ、数秒間キープした後、ゆっくりと力を抜くようにします。
呼吸息を吐きながらツボを押し、息を吸いながら力を緩めると、よりリラックスして行えます。
回数各ツボにつき、3〜5回程度繰り返すのが効果的です。
継続一度に長時間行うよりも、毎日少しずつでも継続することが大切です。

ツボ押しは、リラックスできる環境で行うと効果が高まります。入浴後や就寝前など、体が温まりやすい時間帯もおすすめです。

3.2 ツボ押しと組み合わせたい首こりストレッチ

ツボ押しで筋肉の緊張を和らげた後は、軽いストレッチを行うことで、さらに首周りの柔軟性を高め、血行を促進することができます。ツボ押しとストレッチを組み合わせることで、相乗効果が期待でき、首こりの改善に繋がりやすくなります。無理のない範囲で、ゆっくりと丁寧に行いましょう。

いくつか簡単なストレッチをご紹介します。

  • 首の前後左右ストレッチ
    姿勢を正して座り、ゆっくりと顎を胸に近づけるように首を前に倒します。次に、ゆっくりと天井を見るように首を後ろに倒します。左右も同様に、耳を肩に近づけるようにゆっくりと倒します。それぞれの方向で10秒から15秒程度キープし、呼吸を止めないようにしましょう。
  • 首の回旋ストレッチ
    姿勢を正して座り、ゆっくりと顔を右肩の方向へ向け、首をひねります。そのまま10秒から15秒程度キープし、正面に戻します。反対側も同様に行います。首を大きく回すのではなく、ゆっくりと左右にひねることを意識してください。
  • 肩甲骨を動かすストレッチ
    首こりには肩甲骨周りの筋肉の硬さも関係しています。両肩を耳に近づけるように引き上げ、そのまま後ろに大きく回してゆっくりと下ろします。これを数回繰り返すことで、肩甲骨周りの血行が促進され、首への負担が軽減されます。

ストレッチを行う際は、痛みを感じたらすぐに中止してください。反動をつけず、ゆっくりと筋肉を伸ばすことを意識しましょう。

3.3 日常生活でできる首こり予防と改善策

ツボ押しやストレッチの効果を長続きさせるためには、日々の生活習慣を見直し、首こりの原因となる要因を取り除くことが重要です。特に、長時間同じ姿勢を続けることの多い現代において、意識的に予防策を取り入れることが求められます。

3.3.1 姿勢の改善とデスクワークの工夫

デスクワークやスマートフォンの使用など、日常生活における姿勢は首こりに大きく影響します。正しい姿勢を意識し、作業環境を整えることで、首への負担を軽減できます。

項目具体的な工夫
座り方椅子には深く腰掛け、背筋を自然に伸ばします。足の裏はしっかりと床につけ、膝が90度になるように調整しましょう。
目線の高さパソコンのモニターは、画面の上端が目線の高さになるように調整します。これにより、自然と顎が引かれ、首が前傾するのを防げます。
キーボードとマウスキーボードやマウスは、肘が90度程度に曲がる位置に置くと、肩や腕への負担が少なくなります。
休憩1時間に一度は席を立ち、軽いストレッチや体操を行いましょう。長時間同じ姿勢を続けることを避けることが大切です。
スマートフォンの使用スマートフォンを見る際は、顔を下げすぎないように、目線の高さまで持ち上げることを意識してください。

これらの工夫を取り入れることで、無意識のうちにかかっていた首への負担を軽減し、首こりの予防に繋がります。

3.3.2 適切な枕選びと睡眠環境

一日の約3分の1を占める睡眠時間は、首こりの改善と予防に非常に重要です。特に、枕は寝ている間の首の姿勢を左右するため、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。

項目枕選びのポイント
高さ仰向けに寝た時に、首の自然なカーブが保たれる高さが理想的です。高すぎても低すぎても首に負担がかかります。
硬さ頭をしっかりと支えつつも、適度な弾力があるものを選びましょう。柔らかすぎると頭が沈み込み、硬すぎると首に圧迫感を与えます。
素材通気性が良く、ご自身が快適だと感じる素材を選びましょう。素材によってフィット感や寝心地が異なります。
寝返り寝返りを打ちやすいように、ある程度の幅と奥行きがある枕がおすすめです。寝返りは血行促進に繋がります。

枕だけでなく、マットレスや布団などの寝具も、体のS字カーブを適切に支え、寝返りを打ちやすいものを選ぶことが大切です。また、室温や湿度を快適に保ち、リラックスできる照明にするなど、睡眠環境全体を整えることも、質の良い睡眠に繋がり、首こりの改善をサポートします。

4. ツボ押しを行う上での注意点と専門家への相談

首こり解消にツボ押しは非常に有効なセルフケアですが、安全に効果を得るためには、いくつかの注意点があります。また、ツボ押しだけでは改善が難しい、あるいは専門家による診断が必要なケースも存在します。

4.1 ツボ押しを避けるべきケース

以下に示す状況では、ツボ押しを行うことで症状が悪化したり、体に負担をかけたりする可能性があります。無理をせず、ツボ押しを控えるか、専門家にご相談ください。

避けるべき状況具体的な理由
発熱時や体調不良時体力が消耗している状態でのツボ押しは、かえって体に負担をかけ、症状を悪化させる可能性があります。
飲酒後や食後すぐ飲酒後は血行が促進されすぎて酔いが回る可能性があり、食後すぐは消化器系に負担をかけることがあります。
妊娠中の方特定のツボへの刺激は、子宮の収縮を促すなど、母体や胎児に影響を与える可能性があります。必ず専門家にご相談ください。
皮膚に傷や炎症がある部位ツボ押しによって症状が悪化したり、感染のリスクが高まったりすることがあります。
骨折、脱臼、捻挫などの外傷がある場合患部への刺激は、回復を妨げたり、症状を悪化させたりする危険性があります。
重篤な疾患をお持ちの方高血圧、心臓病、糖尿病などの持病がある方は、ツボ押しが体調に影響を与える可能性もあるため、事前に専門家にご相談ください。
強い痛みを感じる場合ツボを押して激しい痛みを感じる場合は、無理に続けないでください。別の原因が隠れている可能性もあります。

4.2 こんな首こりは専門家へ相談を

セルフケアとしてのツボ押しは有効ですが、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに専門家への相談をおすすめします。早期の対応が、症状の悪化を防ぎ、根本的な改善につながることがあります。

相談を推奨する症状専門家への相談が推奨される理由
激しい痛みやしびれが腕や手まで広がっている首の神経が圧迫されているなど、より専門的な診断と治療が必要な状態である可能性があります。
めまい、吐き気、耳鳴り、強い頭痛を伴う首こり以外の原因や、脳神経系の問題、その他の疾患が関連している可能性があり、早急な専門家の判断が必要です。
発熱を伴う首こり感染症など、炎症を伴う疾患のサインである可能性があり、適切な診断と処置が求められます。
転倒や事故など、明らかな原因がある場合外傷による損傷が考えられるため、専門家による画像診断などを含めた詳細な検査が必要です。
セルフケアを続けても改善が見られない、むしろ悪化するツボ押しだけでは解決できない、より根深い原因が隠れている可能性があります。専門家が根本原因を特定し、適切なアプローチを提案します。
日常生活に支障をきたすほどの症状仕事や家事、睡眠などに影響が出るほどの症状は、生活の質を著しく低下させます。専門家のサポートを得て、早期に改善を目指しましょう。
首を動かすと激痛が走る筋肉や関節に大きな負担がかかっている、あるいは炎症を起こしている可能性があり、無理な動きは避けるべきです。

5. まとめ

本記事では、頑固な首こりの原因から、即効性が期待できるツボ、そして効果を最大化するセルフケア術まで、幅広く解説しました。天柱や風池、肩井、合谷といったツボは、血行促進や筋肉の緊張緩和に繋がり、首こりだけでなく頭痛や目の疲れにもアプローチします。正しいツボの探し方や指圧のコツ、ストレッチ、姿勢改善などを日々の生活に取り入れることで、より効果的な改善が期待できます。ただし、ツボ押しには注意点があり、症状が改善しない場合や悪化する際は、無理せず専門家へご相談ください。ご自身の体と向き合い、適切なケアを続けることが、首こりから解放される第一歩です。何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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