ストレートネックによる首の痛み、肩こり、頭痛、そして姿勢の悪さに悩んでいませんか?日々の生活で感じるそのつらい不調は、もしかしたらストレートネックが原因かもしれません。この記事では、あなたの首の不調がストレートネックであるかを知るための情報から、なぜ筋トレがその改善に効果的なのか、そして具体的にどのような筋トレを行えば良いのかを詳しく解説していきます。
結論として、ストレートネックの改善には、首の安定性を高める深層筋の強化と、正しい姿勢を支える背中や体幹の筋肉を鍛えることが非常に重要です。これらの筋力アップは、つらい症状を和らげるだけでなく、根本的な姿勢の改善にもつながります。厳選されたエクササイズと日常生活で実践できる改善策を取り入れることで、劇的に首が楽になり、快適な毎日を取り戻すことができるでしょう。ぜひこの記事を参考に、今日から改善への一歩を踏み出してください。
1. ストレートネックとは?あなたの首の不調の原因を知る
ストレートネックとは、本来ゆるやかなS字カーブを描いているはずの首の骨(頚椎)が、まっすぐになってしまう状態を指します。このS字カーブは、約5kgもあると言われる重い頭を支え、外部からの衝撃を吸収するクッションのような役割を担っています。しかし、そのカーブが失われることで、首や肩に大きな負担がかかり、さまざまな不調を引き起こす原因となるのです。
1.1 ストレートネックの主な症状とセルフチェック
ストレートネックになると、首のクッション機能が低下するため、以下のような症状が現れることがあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすほどつらいものになる場合もあります。
| 症状の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 首や肩のこり・痛み | 首のつけ根から肩にかけての慢性的な重だるさや痛み、凝り固まった感じが続きます。 |
| 頭痛・目の疲れ | 後頭部や側頭部に痛みが生じたり、目の奥がズキズキしたりすることがあります。 |
| めまい・耳鳴り | 首周りの血行不良や神経への圧迫が原因で、ふらつきや耳鳴りを感じることがあります。 |
| 手のしびれ | 首から腕、指先にかけての神経が圧迫され、しびれやだるさ、感覚の鈍さが出ることがあります。 |
| 倦怠感・不眠 | 自律神経の乱れから、全身の疲労感や寝つきの悪さ、熟睡できないといった不調につながることもあります。 |
| 姿勢の悪化 | 首が前に突き出て、背中が丸くなる猫背姿勢が目立つようになります。 |
ご自身の首がストレートネックになっているかどうか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。
| チェック方法 | 結果の見方 |
|---|---|
| 壁を使ったチェック | かかと、お尻、背中を壁につけてまっすぐ立ちます。この時、後頭部が自然に壁につかない、または無理に壁につけようとするとあごが上がってしまう場合は、ストレートネックの可能性があります。 |
| 鏡を使ったチェック | 横から全身が映る鏡でご自身の姿勢を見てください。耳の位置が肩よりも前に出ている場合や、首が前に突き出ているように見える場合は、ストレートネックの傾向があるかもしれません。 |
これらのセルフチェックで心当たりがある場合は、早めの対策を検討することをおすすめします。
1.2 ストレートネックになる原因と悪化する習慣
ストレートネックは、生まれつきの骨格によるものではなく、日々の生活習慣が大きく影響して発生すると考えられています。特に現代社会において、以下のような習慣が原因となり、ストレートネックを悪化させているケースが多く見られます。
| 要因の種類 | 具体的な習慣や状況 |
|---|---|
| 長時間のデスクワーク | パソコン作業などで長時間うつむき姿勢や前かがみになることで、首に大きな負担がかかり続けます。 |
| スマートフォンの長時間使用 | スマートフォンを操作する際に下を向く時間が長くなると、首の自然なカーブが失われやすくなります。いわゆる「スマホ首」の状態です。 |
| 猫背などの不良姿勢 | 普段から背中が丸まっていると、バランスを取るために首が前に出てしまい、ストレートネックを助長します。 |
| 運動不足による筋力低下 | 首や肩周りの筋肉が衰えると、重い頭を支える力が弱まり、正しい姿勢を保つことが難しくなります。 |
| 合わない寝具の使用 | 枕の高さが合っていなかったり、マットレスが柔らかすぎたりすると、寝ている間も首に負担がかかり続け、ストレートネックを悪化させる原因となります。 |
| 精神的なストレス | ストレスを感じると、無意識のうちに首や肩の筋肉が緊張し、硬くなることで血行が悪くなり、姿勢の悪化にもつながりやすくなります。 |
| 体の冷え | 体が冷えると筋肉が収縮し、血行が悪くなることで首や肩のこりが悪化し、ストレートネックの症状を強めることがあります。 |
これらの習慣を見直し、首への負担を減らすことが、ストレートネックの改善に向けた第一歩となります。
2. なぜ筋トレがストレートネックの改善に効果的なのか
ストレートネックのつらい症状に悩まされている方にとって、筋トレは単なる運動ではなく、根本的な改善へと導く重要な手段となります。首の骨格がまっすぐになることで生じる不調は、首周りや体幹の筋肉のバランスが崩れていることが原因の一つです。筋トレによってこれらの筋肉を強化し、適切に機能させることで、首への負担を軽減し、正しい姿勢を取り戻すことが可能になります。
2.1 首の安定性を高める深層筋の重要性
ストレートネックは、本来緩やかなカーブを描くはずの首の骨(頸椎)が、まっすぐになってしまう状態を指します。この生理的な湾曲が失われると、頭の重さを支える機能が低下し、首や肩に大きな負担がかかります。この状態を改善するために重要なのが、首の深層筋(インナーマッスル)の強化です。
首の深層筋は、首の骨の一つ一つを安定させ、正しい位置に保つ役割を担っています。特に、首の前面にある頸長筋や頭長筋といった筋肉は、頭が前に突き出るのを防ぎ、首の安定性を高める上で非常に重要です。しかし、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などによってこれらの深層筋が弱まると、首を支えきれなくなり、ストレートネックを悪化させてしまうことがあります。
筋トレによってこれらの深層筋を意識的に鍛えることで、首の骨格が安定し、頭の重さを効率的に支えられるようになります。これにより、首にかかる不必要な負担が軽減され、首の痛みやだるさといった症状の緩和につながるのです。
2.2 姿勢改善と痛みの緩和につながる筋力アップ
ストレートネックは、首だけの問題ではなく、多くの場合、全身の姿勢の崩れと密接に関連しています。特に、背中や肩甲骨周りの筋肉の弱化は、猫背を誘発し、結果として首が前に突き出るストレートネックの姿勢を助長してしまいます。
例えば、肩甲骨を正しい位置に保つ役割を持つ僧帽筋や菱形筋といった背中の筋肉が弱くなると、肩甲骨が外側に広がり、背中が丸まって猫背になりやすくなります。猫背の姿勢では、頭の位置が体よりも前に出てしまい、首の筋肉は常に頭を支えるために過剰な緊張を強いられます。これが、首や肩の慢性的な痛み、こり、頭重感などの原因となるのです。
筋トレを通じてこれらの背中や肩甲骨周りの筋肉を強化することで、肩甲骨が安定し、背筋が伸びた正しい姿勢を維持しやすくなります。正しい姿勢は、頭の重さを体全体でバランス良く支えることを可能にし、首への負担を大幅に軽減します。結果として、ストレートネックによる首の痛みや肩のこり、頭重感といった不快な症状が緩和され、日常生活がより快適になることを実感できるでしょう。
3. ストレートネックを改善する筋トレの基本と注意点
ストレートネックの改善を目指す筋力トレーニングは、ただ闇雲に行うだけでは十分な効果が得られないばかりか、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあります。ここでは、どの筋肉を、どのくらいの頻度で鍛えるべきか、そして安全に効果を出すための正しいフォームについて、基本的な知識と重要な注意点をお伝えします。
3.1 鍛えるべき筋肉と筋トレを行う頻度
ストレートネックの改善には、首だけでなく、姿勢全体を支える複数の筋肉をバランス良く鍛えることが重要です。特に、頭部の位置を安定させる首の深層筋と、猫背などの不良姿勢を改善する背中や肩甲骨周りの筋肉がカギとなります。
具体的に鍛えるべき筋肉とその役割、そして効果的な筋トレを行う頻度について見ていきましょう。
| 鍛えるべき筋肉 | 主な役割とストレートネック改善への寄与 |
|---|---|
| 深層頸屈筋群(頸長筋、頭長筋など) | 頭部を正しい位置に保ち、首の自然なS字カーブを維持するためのインナーマッスルです。これらの筋肉が弱まると、頭が前に突き出やすくなります。 |
| 僧帽筋(特に下部・中部線維) | 肩甲骨を正しい位置に引き下げたり、内側に寄せたりする働きがあります。猫背や巻き肩の改善に繋がり、首への負担を軽減します。 |
| 菱形筋(大菱形筋、小菱形筋) | 肩甲骨を背骨に引き寄せる役割を担い、姿勢の維持と肩甲骨の安定性を高めます。僧帽筋下部・中部線維と協力して、正しい姿勢をサポートします。 |
| 脊柱起立筋群 | 背骨に沿って存在する筋肉で、背筋を伸ばし、体幹を安定させるために不可欠です。正しい姿勢を保つことで、首への負担を分散します。 |
これらの筋肉を効果的に鍛えるためには、適切な頻度で継続することが大切です。筋肉はトレーニング後に休息と栄養を摂ることで成長しますので、毎日行うよりも、休息日を挟むことが推奨されます。
| 項目 | 推奨内容 |
|---|---|
| 筋トレの頻度 | 週に2〜3回を目安に行いましょう。筋肉の回復には通常48〜72時間かかると言われています。 |
| 各エクササイズの回数とセット数 | 10〜15回を1〜3セット行い、筋肉が適度に疲労する程度の負荷を選びましょう。無理なく続けられる範囲から始めてください。 |
| 継続の重要性 | 筋トレの効果はすぐに現れるものではありません。焦らず、無理のない範囲で継続することが、ストレートネック改善への一番の近道です。 |
特に、初めて筋トレを行う方は、まずは少ない回数やセット数から始め、体の反応を見ながら徐々に増やしていくことをおすすめします。
3.2 安全に効果を出すための正しいフォーム
筋トレにおいて、正しいフォームで行うことは、効果を最大限に引き出し、同時に怪我のリスクを最小限に抑えるために最も重要です。誤ったフォームは、鍛えたい筋肉に適切に負荷がかからないだけでなく、他の部位に過度な負担をかけ、かえってストレートネックの症状を悪化させてしまう可能性もあります。
以下の点に注意して、安全で効果的な筋トレを心がけましょう。
| 注意点 | 詳細なポイント |
|---|---|
| 呼吸を意識する | 動作に合わせて、ゆっくりと深く呼吸しましょう。力を入れるときに息を吐き、力を抜くときに息を吸うのが一般的です。呼吸を止めると血圧が上昇し、体に負担がかかります。 |
| 動作はゆっくりと丁寧に行う | 反動を使わず、筋肉の収縮と伸展を意識しながら、ゆっくりとした動作で行いましょう。これにより、ターゲットとなる筋肉にしっかりと負荷をかけ、効果を高めます。 |
| 痛みを感じたらすぐに中止する | 筋トレ中に痛みや不快感を感じた場合は、無理をせず直ちに中止してください。無理に続けると、怪我や症状の悪化に繋がる恐れがあります。 |
| 鏡でフォームを確認する | 可能であれば、鏡を見ながらエクササイズを行い、自分のフォームが正しいかどうかを確認しましょう。特に、首や肩に余計な力が入っていないか、姿勢が崩れていないかを確認することが大切です。 |
| 鍛えている筋肉を意識する | 「今、どの筋肉を鍛えているのか」を意識することで、より効果的にその筋肉に刺激を与えることができます。これをマインドマッスルコネクションと呼びます。 |
| 無理のない範囲から始める | 初めて行うエクササイズや、久しぶりに行う場合は、少ない回数や軽い負荷から始め、徐々に慣らしていくことが大切です。体の状態に合わせて調整しましょう。 |
これらの基本と注意点を守りながら、次の章でご紹介する具体的なエクササイズに取り組んでみてください。正しい知識と丁寧な実践が、ストレートネックの改善への確かな一歩となります。
4. 劇的に首が楽になる!ストレートネック改善のための厳選筋トレ
ここでは、ストレートネックによる首の不調を改善するために、特に効果が期待できる厳選された筋力トレーニングをご紹介します。首のインナーマッスルから、姿勢を支える背中や体幹の筋肉まで、段階的に鍛えることで、首の安定性と正しい姿勢を取り戻し、つらい症状の緩和を目指します。安全かつ効果的に行うためのポイントも詳しく解説しますので、ぜひ実践してみてください。
4.1 首のインナーマッスルを鍛えるエクササイズ
首のインナーマッスルは、首の骨(頸椎)を安定させ、正しいアライメントを保つ上で非常に重要な役割を担っています。ここを鍛えることで、首への負担が軽減され、痛みやこりの改善につながります。
4.1.1 あご引き運動(チンインエクササイズ)
あご引き運動は、首の深層屈筋群を効果的に鍛える基本的なエクササイズです。首の安定性を高め、前方に突き出た頭の位置を正しい状態に戻すのに役立ちます。
やり方
- 椅子に座るか、仰向けに寝ます。
- 背筋を軽く伸ばし、リラックスした状態にします。
- あごを軽く引き、頭全体を後ろにスライドさせるように動かします。このとき、目線は正面を保ち、あごが上がりすぎたり、下がりすぎたりしないように注意してください。
- 首の後ろが軽く伸びる感覚があれば正しいです。
- この姿勢を5秒間キープします。
- ゆっくりと元の位置に戻します。
ポイントと注意点
- 首に痛みを感じる場合は無理をせず、動かせる範囲で行ってください。
- あごを引く際に、頭が下を向いたり、首が前に突き出たりしないように注意しましょう。
- 呼吸を止めずに、自然な呼吸を意識して行います。
- 10回を1セットとして、1日2〜3セットを目安に行うと良いでしょう。
4.1.2 タオルを使った首のアイソメトリック運動
タオルを使ったアイソメトリック運動は、首の様々な方向への安定性を高めるのに有効です。タオルを使うことで、首に過度な負担をかけずに、安全に筋肉を刺激できます。
やり方
- 前方への抵抗
- タオルの両端を持ち、後頭部にタオルをかけます。
- タオルを軽く前方に引っ張りながら、頭を後ろに押し付けるように力を入れます。頭の位置は動かさず、首の筋肉に力が入るのを感じます。
- 5秒間キープし、力を抜きます。
- 後方への抵抗
- タオルの両端を持ち、おでこにタオルをかけます。
- タオルを軽く後方に引っ張りながら、頭を前に押し付けるように力を入れます。頭の位置は動かさず、首の筋肉に力が入るのを感じます。
- 5秒間キープし、力を抜きます。
- 側方への抵抗
- タオルの両端を持ち、右側のこめかみにタオルをかけます。
- タオルを軽く左に引っ張りながら、頭を右に押し付けるように力を入れます。頭の位置は動かさず、首の筋肉に力が入るのを感じます。
- 左側も同様に行います。
- それぞれ5秒間キープし、力を抜きます。
ポイントと注意点
- タオルを引っ張る力と、頭で押し返す力は、均等になるように意識し、頭が動かないようにしてください。
- 力を入れすぎると首に負担がかかるため、軽い抵抗から始め、徐々に力を強くしていきましょう。
- 各方向5秒キープを5回ずつ、1日1〜2セットを目安に行います。
4.2 背中と肩甲骨を強化するエクササイズ
ストレートネックの改善には、首だけでなく、背中や肩甲骨周りの筋肉を強化し、正しい姿勢を維持することも不可欠です。これらの筋肉が弱ると、猫背になりやすく、結果的に首への負担が増大します。
4.2.1 肩甲骨寄せ運動(シーテッドローイング)
肩甲骨寄せ運動は、背中の中心部にある菱形筋や僧帽筋中部を鍛え、肩甲骨の動きを改善します。これにより、猫背の改善や胸を張った正しい姿勢の維持に役立ちます。
やり方
- 椅子に座り、背筋を伸ばして正しい姿勢をとります。
- 両腕を前に伸ばし、手のひらを向かい合わせにします。
- 息を吐きながら、肘を後ろに引くようにして、肩甲骨を背骨に引き寄せます。このとき、胸を軽く張るイメージです。
- 肩がすくまないように注意し、肩甲骨がしっかりと寄っているのを感じます。
- ゆっくりと息を吸いながら、元の位置に戻します。
ポイントと注意点
- 腕の力で引くのではなく、肩甲骨を意識して動かすことが重要です。
- 肩が上がらないように、常にリラックスさせて行いましょう。
- 10〜15回を1セットとして、1日2〜3セット行うことを推奨します。
4.2.2 ウォールエンジェル
ウォールエンジェルは、壁を使って肩甲骨の動きを滑らかにし、正しい姿勢を体に覚えさせるのに効果的なエクササイズです。特に、猫背や巻き肩の改善に役立ちます。
やり方
- 壁に背中を向けて立ち、かかと、お尻、背中、後頭部を壁にぴったりとつけます。
- 両腕を肩の高さまで上げ、肘を90度に曲げ、手の甲と肘を壁につけます。
- 息を吐きながら、壁から離れないようにゆっくりと腕を上にスライドさせます。このとき、肩甲骨が動くのを感じましょう。
- 腕を上げきったら、ゆっくりと息を吸いながら元の位置に戻します。
ポイントと注意点
- 後頭部、背中、お尻、かかと、そして可能であれば手の甲と肘が壁から離れないように意識してください。
- 腕を上げるのが難しい場合は、無理のない範囲で行い、徐々に可動域を広げていきましょう。
- 10回を1セットとして、1日2セットを目安に行うと良いでしょう。
4.3 正しい姿勢を取り戻す体幹エクササイズ
ストレートネックの根本的な改善には、体幹の安定性が不可欠です。体幹がしっかりしていると、頭を正しい位置で支え、首への負担を軽減できます。ここでは、体幹を総合的に鍛えるエクササイズをご紹介します。
4.3.1 プランク
プランクは、腹筋群や背筋群、さらにはお尻の筋肉まで、体幹全体を効率的に鍛えることができるエクササイズです。姿勢の安定性を高め、ストレートネックの改善に大きく貢献します。
やり方
- うつ伏せになり、両肘を肩の真下につき、前腕を床につけます。
- つま先を立て、お腹とお尻に力を入れ、頭からかかとまで一直線になるように体を持ち上げます。
- このとき、お尻が上がりすぎたり、腰が反りすぎたりしないように注意します。
- 目線は床に向け、首が反らないようにします。
- この姿勢を20〜30秒間キープします。
ポイントと注意点
- お腹をへこませるように意識し、体幹全体で体を支える感覚を掴みましょう。
- 呼吸を止めずに、深くゆっくりとした呼吸を続けます。
- 最初は短い時間から始め、徐々にキープ時間を長くしていきます。
- 20〜30秒を1セットとして、1日2〜3セットを目安に行いましょう。
4.3.2 キャットアンドカウ
キャットアンドカウは、背骨の柔軟性を高め、体幹のコントロール能力を向上させるエクササイズです。首から背中にかけての連動性を高め、姿勢の改善に役立ちます。
やり方
- 四つん這いになります。手は肩の真下、膝は股関節の真下につきます。
- 息を吸いながら、背中を丸め、おへそを覗き込むようにします(キャットのポーズ)。首も力を抜いて下を向けます。
- 息を吐きながら、背中を反らせ、天井を見上げるようにします(カウのポーズ)。このとき、腰を反りすぎないように注意し、首も自然に上を向けます。
- これらの動きをゆっくりと繰り返します。
ポイントと注意点
- 呼吸と動きを連動させることが重要です。
- 背骨の一つ一つが動くのを意識しながら、無理なく気持ち良い範囲で行ってください。
- 首だけを動かすのではなく、背中全体で動くことを意識しましょう。
- 10〜15回を1セットとして、1日1〜2セットを目安に行うと良いでしょう。
5. 筋トレ効果を高める日常生活でのストレートネック改善策
5.1 デスクワークやスマホ利用時の姿勢を見直す
ストレートネックの改善には、筋トレだけでなく、日常生活での姿勢の意識が非常に重要です。特に長時間行うデスクワークや、頻繁に利用するスマートフォンの使い方を見直すことで、首への負担を大幅に軽減し、筋トレの効果をさらに高めることができます。
5.1.1 デスクワーク時の正しい姿勢
パソコン作業中は、つい首が前に出て猫背になりがちです。以下のポイントを意識して、首や肩への負担を減らしましょう。
| 項目 | 良い姿勢のポイント | ストレートネック悪化につながる悪い姿勢 |
|---|---|---|
| 椅子の座り方 | 深く腰掛け、背もたれに背中を預け、骨盤を立てるように座ります。足の裏は床にしっかりとつけましょう。 | 浅く腰掛け、背中が丸まり、あごが前に突き出た姿勢。 |
| モニターの位置 | モニターの上端が目線と同じかやや下になるように調整します。画面との距離は40~70cm程度を目安にしてください。 | モニターが低すぎたり高すぎたりして、首を大きく傾けたり、うつむいたりする姿勢。 |
| キーボード・マウス | キーボードやマウスは、腕が自然に下がり、肘が90度程度に曲がる位置に置きます。手首が反りすぎないように注意しましょう。 | 肩がすくんだり、手首が不自然に曲がったりする位置に置く。 |
| あごの位置 | あごを軽く引き、耳と肩が一直線になるイメージで座ります。 | あごが突き出て、首が前に傾いている姿勢。 |
5.1.2 スマホ利用時の首への負担を減らす
スマートフォンを下向きで長時間操作することは、首に大きな負担をかけ、ストレートネックを悪化させる主な原因の一つです。「スマホ首」と呼ばれ、首の痛みや肩こりの原因となります。
- 目線の高さにスマホを持ち上げる: スマホを胸や顔の高さまで持ち上げ、目線を下げずに画面を見るように心がけましょう。
- 休憩をこまめに取る: 15~20分に一度は休憩を挟み、首を休ませることが大切です。
- うつむく角度を減らす: どうしても下を向く必要がある場合は、首だけでなく背中全体を少し傾けるように意識し、首への負担を分散させましょう。
5.2 休憩時の簡単なストレッチとリラックス法
筋トレで首周りの筋肉を強化する一方で、日常生活の合間に筋肉の緊張をほぐし、血行を促進することもストレートネックの改善には不可欠です。短時間でできる簡単なストレッチやリラックス法を取り入れて、首の不調を和らげましょう。
5.2.1 首と肩の緊張を和らげるストレッチ
デスクワークの合間やスマホ利用後など、気づいた時に実践できる簡単なストレッチです。無理のない範囲でゆっくりと行いましょう。
- 首の前後ストレッチ: あごをゆっくりと引き、首の後ろを伸ばします。次に、あごを軽く持ち上げ、首の前側を伸ばします。それぞれ5秒程度キープし、数回繰り返します。
- 首の左右ストレッチ: 頭をゆっくりと右に傾け、左側の首筋を伸ばします。次に左に傾け、右側の首筋を伸ばします。肩が上がらないように注意し、それぞれ5秒程度キープして数回繰り返します。
- 肩甲骨回し: 両肩を大きく前から後ろへ、次に後ろから前へとゆっくりと回します。肩甲骨が動いているのを意識しながら、それぞれ5回程度行います。肩甲骨周りの血行が促進され、首の凝り緩和にもつながります。
5.2.2 心身のリラックスで首の負担を軽減
ストレスや緊張は、無意識のうちに首や肩の筋肉を硬くしてしまいます。心身をリラックスさせることで、首への負担を軽減し、筋トレの効果をより引き出すことができます。
- 深呼吸: 数分間、深くゆっくりとした腹式呼吸を繰り返します。息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませることを意識しましょう。心拍数が落ち着き、全身の緊張が和らぎます。
- 環境の見直し: 休憩スペースの照明を少し落としたり、お気に入りの香りを焚いたりするなど、リラックスできる環境を整えることも有効です。視覚や嗅覚から得られる情報も、心身の緊張緩和に役立ちます。
6. まとめ
つらいストレートネックの症状に悩む皆様へ、本記事では筋トレによる改善方法とその重要性について詳しく解説してきました。
ストレートネックの根本的な改善には、首の安定性を支える深層筋、そして正しい姿勢を維持するための背中や肩甲骨周りの筋肉、さらには体幹の強化が不可欠です。これらの筋肉を鍛えることで、首への負担が軽減され、痛みや不調の緩和につながることがご理解いただけたかと思います。
ご紹介した「あご引き運動」や「ウォールエンジェル」などの厳選エクササイズは、継続して正しいフォームで行うことが何よりも大切です。また、筋トレだけでなく、デスクワークやスマホ利用時の姿勢を見直したり、こまめなストレッチを取り入れたりする日常生活での工夫も、改善効果を劇的に高めるでしょう。
これらの取り組みを続けることで、きっと皆様の首は劇的に楽になり、ストレートネックの悩みから解放されるはずです。諦めずに、今日からできることからはじめてみてください。
何かお困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

